自殺者相次ぐ、スペインの住宅ローン危機

■現在、世界経済に暗い影を落としているＥＵ経済危機。
その中心地のひとつであるのがスペインである。
スペインでは、悪化する財政問題が国民の住宅事情に影響を与えているというニュースが報じられている。 住宅ローンを利用して住居を購入した人たちのローン返済が重い負担となっているのだ。 失業や賃金カットなどで日々の生活費にも苦しむ人たちにとって、高額で長期間の住宅ローン返済までする余裕はない。 そうしたことから、滞納状態が続き立ち退きを迫られてしまう。しかも、スペインでは家を失ってもローン残債は丸ごと残る。 絶望しかない状況で自らの命を断つ人が相次ぎ、事態を重く見たスペイン政府が弱者への立ち退き要求を一時的に停止するということを宣言した。

この政府の動きには民間で住宅ローンに苦しむ人たちを救う活動をしている2組織がロビー活動をした結果だという。
何も色眼鏡なしでみれば国民の苦しむ声に政府が答えられたということで、喜ぶべき成果といっていいだろう。 だが、これは一時的な措置であり、問題の解決にはならない。
本当の解決とは、安定した雇用、安定した収入を得られる状況を作り、住宅ローンの返済が円滑にできるようにすることである。なぜなら、自殺を止めるため銀行に債権放棄を迫っても、銀行は別の形で損失の穴埋めをしようとする。それが結局国民の負担として返ってしまうのだ。

スペイン政府が9月下旬に議会に提出した予算案によると、13年末のスペイン債務は対GDP比で90.5％になるという見通しである。 リーマンショックから派生したＥＵの景気悪化。2009年のスペイン債務の対ＧＤＰ比が53.92％という数値を見れば現時点の深刻さがわかるはずだ。 そして、この状況から抜け出すにはスペインを含むＥＵだけでなくアメリカや日本、中国などの世界経済を動かす国々が一緒に景気回復をしなければ難しい。
各国政府や金融機関がそのために努力してはいるが、はっきりとした効果を見ることが出来ていない。 今が山場であるのだが、スペイン政府は立ち退きの一時停止のような対症療法を繰り返していくしかないのが現実である。 （住宅ローン比較大辞典　編集部Ｋ）

■現在、住宅ローンを抱えている方も多いとか思います。このことについて、スペインでは、住宅ローンが払えなくなってしまい、住宅をさ差押えられた方の自殺が相次いで起こったという出来事があります。これに対してスペイン政府は、「もっとも弱い立場にある人々の立ち退きを一時的に停止する」という宣言を発表しました。

数年前の金融恐慌で今でもスペインやヨーロッパでは、若年層の失業率の悪化、政府の財政難により、これといった政策が実行できないなど、その問題はまだまだ深刻な問題として残っているのです。そして、このような状況下の元でスペイン政府が行ってきた痛みを伴う改革はますます負の連鎖を生んで、それが景気悪化、その結果、住宅ローンの破綻による、住宅の差し押さえなどの問題がここ最近顕著になってきているのです。

この差押えによって、そこに住んでいた住人は、立ち退きに遭い、最悪ホームレスにならざるを得なくなってくるのです。この状況を日を追うこどに悪化しており、今後もこの自殺者は増加する可能性があります。このような事態に対して、政府には緊急な対策が求められています。それを実行するにはまず財政面を強化していかないといけません。それと同時に、住宅ローンの支払いができなくなった方には、期限付きででもいいので、その支払いを猶予してあげたたり、その他それに変わる対策が求められています。

住宅というのは、人間にとっては基本的な物なので、まずはそれを失わないようにしてあげないといけません。そしてそれにより、健全な生活が取り戻されれば、また労働の意欲も出てきて、新たな仕事が出てくるかもしれません。政府による対策ももちろん重要ですが、私たち消費者もそれなりの対策が必要になってくるものと思います。例えば、住宅ローンの借換えなどをして、少しでもいいので今の悪い状況から脱するなど、一人一人の自覚が必要になってくるのです。そしてそれが後々にいい方向へと向かっていき、健全な生活へと復活する引き金になっていけば幸いです。 （住宅ローン比較大辞典　編集部Ｉ）